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【再生医療について 法律や当院の取り組みについて】―スタッフブログ

2020年10月20日(火)

こんにちは!看護師の湯本です。

今回は、再生医療に関する法律や再生医療の現状、当院の取り組みについてご紹介したいと思います。

 

 

幹細胞を用いた再生医療

幹細胞治療は再生医療の一つであり、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会でその治療の

妥当性・医療体制・細胞加工管理体制が厳しく審査されます。

幹細胞は分化能、自己複製能を持った細胞のことを指し、この幹細胞の存在によって私たちは

受精卵から成長し、大人になってからも身体を維持できているのです。

幹細胞は、どのような細胞でも作り出すことができる「多能性幹細胞」と

日々消えてゆく細胞の代わりを作り続ける「体性(組織)幹細胞」に分けられます。

多能性幹細胞

ES細胞:受精卵が数回分裂し100個ほどの塊になった細胞

iPS細胞:京都大学の山中教授らの発表で有名になった

    体細胞に遺伝子を導入することで作り出した万能細胞

体性(組織)幹細胞

造血幹細胞や神経幹細胞、脂肪幹細胞、歯髄幹細胞、間葉系幹細胞など様々な種類があります。

その中でも間葉系幹細胞は骨、軟骨、脂肪細胞、筋など、間葉系に属する細胞への分化能を持つとされ、

体性幹細胞の中でも採取することが簡単であり、組織量も豊富に存在することから治療に用いる細胞として

注目されています。

 

 

再生医療による膝治療

再生医療である幹細胞治療はすでに様々な分野で使用されています。

動脈硬化、慢性疼痛、難治性アトピー、毛髪、脳梗塞後遺症など多岐に渡り、

その中でも国内で多く行われているのが、変形性関節症に対する幹細胞注入です。

変形性関節症の中でも最も罹患数が多い部位が膝です。

よって、当院でも変形性膝関節症への幹細胞注入療法が最も多く行われています。

変形性膝関節症に対する治療は湿布や痛み止めの内服、ヒアルロン酸注入等の保存療法か、

人工関節置換術などの手術療法です。

今までは、保存療法で痛みを緩和するか、または大きな手術をするかの2つの選択肢しかありませんでした。

そこに新たに加わってきたのが再生医療です。

再生医療であるPRP療法や幹細胞治療についてのブログを沢山書いてありますので、ぜひご覧ください。

 

 

再生医療に問題点はあるのか

ES細胞は人の受精卵を数回分裂させて作られます。

もっと分裂していけば人として誕生することができたはずのものを使用するため、

倫理的な問題があるとされています。

また、iPS細胞は、ガン化するリスクがあり、こちらも臨床での使用はまだ難しいとされています。

体性幹細胞の中でも我々が使用している間葉系幹細胞は、ES細胞やiPS細胞と同様に多分化能を持ちますが、

特に大きな問題点はなく、安全に使用できることが分かっています。

 

 

再生医療の現状

日本では2013年に、再生医療の研究から実用化までの施策を総合的に推進することを目的とした、

「再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律

(再生医療推進法) 」が交付されました。

これを踏まえて具体的な施策が検討された結果、2つの再生医療法案

「再生医療の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)」と

「医薬品、医薬機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」

が成立し、2014年11月25日より施行されました。

現在、日本で再生医療を行うためには、これらの法律をクリアしていなければなりません。

また、治療を行うと治療件数、治療経過や治療の妥当性についての評価等をまとめて

厚生労働大臣に報告する義務も生じます。

法律に則って正しく再生医療を行うことにより、再生医療の安全性向上や発展に繋がることになります。

2014年に2つの再生医療法案が施行されてから、それ以前に比べて情報が増え、

再生医療は安全で比較的身近になっています。

法律をクリアすることや、定期的に治療結果を報告することは大変なことですが、再生医療が患者様にとって

より身近になるためにはとても大切なことです。

再生医療の更なる発展のために沢山の研究者たちが日々研究を続けています。

 

 

再生医療(第二種)を行う病院やクリニックの数

再生医療を患者様に提供している施設は増えてきています。

東京・大阪・福岡などの主要都市に集中していますが、それ以外の地域にも広がってきています。

施設数が沢山あるなか、どの医療機関で治療を受けたらよいのか選択に迷うと思います。

当院の特徴は、患者様への治療提供価格が抑えられていることと、カウンセリングを最初から最後まで

医師が行うということです。

当院には患者様にとって再生医療はより身近であるべきとの理念があり、できるだけ提供価格を抑えています。

今後、東京大学との共同研究を通して更に身近になることを目指しています。

カウンセリングについても、整形外科医としての経験が豊かで、再生医療にも精通する医師達が

診察を行い、治療の意思をお伺いするところまで担当しております。

患者様に最適な治療をお勧めできるよう、丁寧な診察を心がけています。

 

 

終わりに

私が再生医療に携わったのは約10年前に入った美容形成外科クリニックでのPRP治療でした。

その頃は再生医療という言葉は(たぶん)聞いたこともなく、特に法律による規制もありませんでした。

そして2014年に法律が施行され、PRPを加工する際の設備について事務長から指導が入り、

「なんだか急に面倒なことになったぞ。。」なんて思っていました。

その数年後に本格的に再生医療に携わることになり、再生医療に関する法律に触れる機会が増え、

臨床の現場での変化を体感してきました。

幹細胞を使った治療を知った時には、ワクワクが止まりませんでした。

2025年の大阪万博のテーマの一つとして再生医療が取り上げられることになっています。

万博開催の頃には日本の再生医療が更に発展していることを願い、微力ながら当院も

その発展に貢献出来たら嬉しいなと思っています。

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