再生医療は、人工関節置換手術の代替えになるか?
2021年11月24日(水)
こんにちは。お茶の水セルクリニック院長の寺尾です。
この度、Youtubeとブログで改めて、再生医療について詳しく解説していくこととしました。
当企画では、皆様のご質問にお答えすることで、再生医療の適切な情報をお届けしたいと思っております。
今回は「手術を勧められた場合、再生医療は代替の選択肢となるか?」についてご紹介したいと思います。
患者様からのお声
お茶の水セルクリニックに来て頂いてる患者さんの中には、手術を勧められたけれど、「やっぱり手術は怖い…」「受けるのがなかなか難しい…」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
人工関節置換術とその課題
例えば膝の手術を行う場合、変形した関節を入れ替える人工関節置換術がメジャーな手術になります。この手術の歴史は長く、私も再生医療に携わる前はずっと人工関節置換術を執刀しておりました。
“人工関節置換術”
人工関節置換術とは、変形性関節症や関節リウマチなどの疾患により悪くなった関節 の表面を取り除いて、人工関節に置き換える手術です。人工関節は、主に金属やセラミック、ポリエチレンなどでできており、関節の痛みの原因となっている部分を取り除くため、他の治療法と比べると「痛みを取る」効果が大きいのが特徴です。
もちろん、人工関節置換術は決して悪い手術ではありません。しかし入院の期間が1ヶ月近くかかったり関節を人工物に入れ替えたりするため身体への負担がとても大きいものとなってしまいます。また、人工物に置き換えた場所は免疫力が低下することが知られています。そのため、菌が入ってしまうとそこから感染症を起こしやすくなると言われています。
再生医療の選択肢
人工関節置換術は最後の砦として機能しますが、課題もあります。そこで、私も手術を行う前に何か一手打つことができればと思っておりました。
現在では、人工関節置換術の手前の一手として再生医療という新しい選択肢が出てくるようになりました。再生医療は「くの字」や「O脚になった関節」をまっすぐにするような強い効果は持っておりません。
しかし、くの字の状態が残っても痛みがなく動きやすくなったり歩きやすくなったりする状態を目指すことができます。
再生医療は新しい治療法
再生医療は人工関節をなるべく避けたい方や先延ばしにしたいという時にも使える治療法になっています。ただし、まだまだ新しい治療法ですので人工関節置換術と比べると術後の経過などの細かい部分がわからないこともあります。
今の時点では、細胞を使うことで関節の中の組織が修復して半月板が大きくなったり、軟骨ができたりするケースが報告されており、関節の症状が緩和し動きやすくなることが期待されています。
・人工関節置換術はきちんとした手術だが身体への負担や免疫力低下という課題あり
・再生医療は人工関節置換術ほどの強い効果がないが関節の症状緩和に期待大
・手術に進む前に一度再生医療を検討してみては?
今回のまとめ
かつては関節の変形の処置には人工関節に入れ替えるしかありませんでした。
しかし、再生医療の発展により、人工関節を用いることなく症状の緩和を目指すことができるようになりました。
整形外科にて人工関節の手術を勧められた時には、その前に再生医療を検討いただいても良いと思っております。その際はぜひ当クリニックにご相談いただけたら幸いです。
今日の内容は以下の動画でも見ることが可能です。何かご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
少しでも興味がある方は、当院公式サイトをご覧頂き、お気軽にお問い合わせ下さい。
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