【幹細胞治療におけるMRIの意義に関して】―Dr前之原のブログ
2020年11月21日(土)
当院では幹細胞治療前後にMRI撮影をお願いすることがあります。
カウンセリングを行っていますと時にレントゲンではダメなのか、何のために撮っているのかと
質問されることがありますので、幹細胞治療におけるMRIの意義を説明したいと思います。
MRIはレントゲンとは違い放射線ではなく磁気を用いて撮像しており、レントゲンでは見えない
骨以外の部分を詳細に確認することが出来ます。
骨以外の部分として具体的には骨の奥の状態、軟骨、関節周囲の腱・靭帯などが挙げられますが、
幹細胞投与前後の関節の状況を骨だけでなく骨以外の部分も詳細に評価することはとても重要です。
先日ブログにも投稿致しました通り、我々は幹細胞治療の成績をMRIのデータと合わせて論文にして
発表したのですが、結果として「MRIにおいて関節軟骨のすり減り、骨棘と呼ばれる関節周囲の骨のでっぱり、
関節軟骨の奥の骨の状態が、治療後の症状の改善に関係しており、いずれも変性、変形の程度がひどい方ほど
症状改善の幅は大きい」ということが分かりました。
この結果から考えると、治療前のMRIでの評価は治療後の結果の予測、つまり幹細胞治療の効果が
得られやすいか否かの判断材料になりますし、治療後にもMRIでの評価を行うことで治療前後のMRIを
比較出来るため、良くなった部分を患者さんご本人が直接見ることで幹細胞治療を具体的に理解しやすくなる
というメリットがあります。
以上、MRIの意義について少しではありますが説明させていただきました。
今後も皆様にご協力していただきながらデータを蓄積しながら、幹細胞治療をよりよりものにしてゆきたいと
考えております。
MRIは閉所恐怖症の方や、体内に金属が入っている方など注意が必要な方もいらっしゃいますので、
該当する方がいらっしゃいましたらスタッフにお伝え下さい。
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