【腱や靱帯治療に対するPRP療法のレビュー】―Dr松﨑のブログ
2021年01月11日(月)
当クリニックでは幹細胞による関節や靱帯の治療も行っておりますが、
PRP(多血小板血漿)療法も行っており、その靱帯(じんたい)や腱(けん)に対する
治療効果があるのかについての論文を今回はご紹介させていただきます。
海外論文を寄せ集めてシステマティックレビューという最もエビデンスレベルの高い論文が
数年前に発表されており、解説したいと思います。
紹介する論文はこちら。
腱や靱帯治療に対するPRP療法の効果:システマティックレビューとメタ解析
Am J Sports Med. 2018 Jul; 46(8): 2020–2032.
筆者らは腱や靱帯の損傷に対して行われた21本の研究をレビューしています。
対象は2017年4月までの間に行われた研究で
患者総数: 1,031名
対象年齢:26歳~66歳
対象の病気:肩の腱板損傷、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
投与方法:腱・靱帯への注射
となっています。
評価方法ですが、
①投与後6.5か月までの短期効果と投与後1年以上の長期効果を比べています。
②疼痛スケール(VAS)というのもので痛みを10段階などで評価した痛みのスコアで比べています。
結果ですが、
短期的な効果も長期的な効果もテニス肘と腱板損傷では痛みのスコアを改善しており、効果を認めました。
治療効果として1年以上は効果があるという結果が出ました。
それぞれの研究の患者数がまだまだ少ない状況ではあるので、もっと多くの患者さんへの治療の結果が
これからも出てくるものと思われますが、PRP療法は腱や靱帯に対して十分な効果をもって
痛みを和らげることがわかりました。
お茶の水セルクリニックでは東京大学との共同研究を通じて、
靱帯・腱・関節に対する再生医療、幹細胞治療をより洗練され確立された治療法となるように
努力を重ねて日々診療しております。
かた・ひざ・股関節などの痛みに対するPRP療法・幹細胞による再生医療に関して
当院へ是非ご相談ください。
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