【コロナウィルスと整形外科手術に関する論文の紹介】―Dr前之原のブログ
2021年03月19日(金)
本日はコロナウィルスと整形外科手術に関する論文を紹介したいと思います。
COVID-19-related cancellation of elective orthopaedic surgery caused increased pain and psychosocial distress levels
Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2021 Mar 12;1-7
詳細な内容は割愛しますが、コロナウィルスの影響で手術が延期になってしまった患者さんに関する論文です。
2020年3月12日から2020年4月30日までにコロナウィルスの影響で人工膝関節、人工股関節などの
整形外科手術が延期になった患者さんの、手術を受ける部位の手術前後での痛みの変化や延期になった際に
感じた精神的ストレスを調査した研究です。
結果として最終的な手術時の痛みは手術をキャンセルされた時の痛みより悪化しており、
延期されて患者さんはストレスを感じていたということがわかりました。
当たり前といえば当たり前の結果ですが、この論文を読んで改めてコロナウィルスの
患者さんに与える影響を感じました。
昨年の4,5月は我々も手術をキャンセルさせて頂くことが続き東大でも多数の患者さんに影響が出ましたが、
幸いにも最近では入院前後にコロナウィルスの検査が必須となったこと以外はほぼ通常通り手術が
可能となっています。
しかし、変異株なども影響もあってか緊急事態宣言で減少傾向にあった東京でのコロナウィルスの感染者数が
下げ止まっており、今後どうなるかまだまだ予断を許さない状況です。
再度急速にコロナウィルス感染者が増加し、それに伴って病床利用率なども増加してしまうと
また昨年のような手術のキャンセルにもつながりかねません。
私個人として出来ることはワクチンを接種し、感染防止対策をしつつ粛々と日常の診療に当たること
のみですが、この状況が早期に改善されることを願ってやみません。
早くマスクがなくても食事や飲みに行くことが出来る、
そして友人や家族と外で自由に遊べる世の中が戻ってくると良いですね。
当クリニックではコロナウィルスに対する感染予防策も行いつつ診療に当たっています。
今後もみなさまの来院をお待ちしております。
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