【プロロセラピー】―院長のブログ
2021年08月13日(金)
プロロセラピーという言葉を聞いたことがありますでしょうか?
多分、聞いたことがないのではないかと思います。
プロロセラピーは英語でProlotherapyと書きます。
Proliferation therapyと呼ばれることもあります。
注射治療の一種で、80年ほど前から治療理論は存在したと言われています。
始めて論文で登場したのは1956年に発表されたものだと言われています。
Hackett, GS (1956). Ligament and tendon relaxation treated by prolotherapy. Springfield, IL: Charles C. Thomas.
この治療理論が発展してPRP治療に至ったとも言われており、再生医療の原点に
なったともいると言える治療法です。
プロロセラピーでは、修復力を活性化することで病気の治療を目指します。
一般的には高濃度のブドウ糖などを注射で注入することで患部を刺激し、
その結果として修復力を活性化させることを目指します。
体内は「損傷を受けた」という信号をキャッチすると修復メカニズムを動くようになっています。
体に害のない物質を使って「損傷を受けた」という信号の代用をさせることで、元々備わっている
修復力を活性化させようという考え方です。
2017年には中等度の変形性膝関節症に対して、low-quality studiesではありますが、
エビデンスがあると報告されています。
Krstičević, M; Jerić, M; Došenović, S; Jeličić Kadić, A; Puljak, L (2017). “Proliferative injection therapy for osteoarthritis: a systematic review”. International Orthopedics. 41 (4): 671–679. doi:10.1007/s00264-017-3422-5. PMID 28190092.
自己修復力を活性化するという考え方は、当院で行っている再生医療の考えと似ています。
幹細胞やPRPと異なり、Prolotherapyで使うブドウ糖は早々に分解されてしまうため、活性化
している時間は短いです。
そのため、一定の治療効果を得るためには複数回治療を受けていただく必要があると考えています。
具体的には週1回、5回程度は治療を受けていただく必要があると考えています。
一連の治療で効果が不十分な場合には、PRP治療や幹細胞治療、場合によっては人工関節置換術を
考えていく必要があると思います。
細胞などは使いませんが、簡単に受けることができる再生医療とも言えるのではないでしょうか。
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