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大腿骨頭壊死症の治療法について

2023年03月08日(水)

こんにちは、お茶の水セルクリニックの寺尾です。
今回は、大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)の治療法についてお伝えしていきます。

大腿骨頭壊死症の詳しい症状についてはこちらをご覧下さい

大腿骨頭壊死症とは

大腿骨頭壊死症の手術適応の症状とは

大腿骨の骨頭というところが壊死してしまう病気なのですが、壊死している部分の状態によって手術の選択肢が変わってきます。


まだ壊死したところが本来に近い丸いままの形で残っていてくれれば、そこを修復すれば歩行の機能が取り戻せます。
壊死の状態が広範囲に広がっていくと、体重をかけた時にペチャっと骨が潰れてしまう事があります。
骨が潰れた状態になってしまうと、修復が困難になりますので人工関節などの手術が適用になります。

早期発見の重要性

難病指定されている大腿骨頭壊死症の初期の症状としては
・歩くと股関節が痛い
・階段の上り下りがつらい
などの歩行の時に股関節に痛みがありますが、休むと良くなるので「単なる老化かな?」と思ってしまう方がいます。


休むと楽になるので、この程度で病院は行かなくてもいいかなと思い検査をしない方が多いです。
壊死により大腿骨頭が潰れてくると、痛くて歩行が困難や不能になってしまいます。
壊死の進行が軽度のものであれば、骨穿孔術(こつせんこうじゅつ)という壊死した部分に穴を開けて血流を回復させる手術があります。
しかし、骨穿孔術だけでは壊死が再発してしまう可能性があり効果が不十分な時があります。

ここ最近、再生医療の進歩により大腿骨頭壊死症にも幹細胞治療が使える様になりました。
従来は骨穿孔術のあとは患者さんの自然治癒力に任せていたのですが、穴を開けたところに幹細胞を入れたり、股関節の中に幹細胞を入れるという治療もできる様になりました。
この治療法により、大腿骨頭壊死症の治癒経過が良くなってきました。
完全に大腿骨頭が潰れてからでは遅いので、違和感を感じたら早期に検査をする事をオススメします。
今はMRIの精度も上がってきていて、初期の壊死でも発見できる様になっています。
初期の段階で発見できれば、それだけ治療結果も良くなってきます。

今回のまとめ

今までは、痛み止めや杖を使うなどの保存的治療大腿骨頭を人工関節に取り換えるといった方法しかありませんでした。
保存的治療では治らないけど手術をするほどでもないという方が多かったのですが、その様な方に対する治療法はありませんでした。
再生医療の進歩で幹細胞治療という新しい選択肢が出てきて、その様な方に対する治療ができる様になりました。
長い目で見ると人工関節ではなく、自分自身の幹細胞を使い自分の関節を残していくというのは大事な事です。
当院では、患部だけではなく患者さん自身のライフスタイルに合わせて治療法を提案させていただきます。
股関節に違和感がある方は、できるだけ早めにご相談いただければと思います。

※今回の内容は以下の動画でも見ることが可能です。

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