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コロナ治療後の大腿骨骨頭壊死への幹細胞治療について

2022年09月20日(火)

こんにちは、お茶の水セルクリニック院長の寺尾です。
今回は、新型コロナの治療後に起きる、大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)についてお伝えしていきます。
大腿骨頭(だいたいこっとう)と聞くと馴染みがないと思いますが、太ももの骨で骨盤の関節のところにあります。


いわゆる股関節の骨といわれるところです。
この骨がコロナ治療後とどの様に関係があるのかお伝えしていきます。

新型コロナと重症肺炎

新型コロナが重症化して、呼吸を苦しそうにしている患者さんをTVでご覧になった方もいると思います。
ほとんどの方は重症化しませんが、まれに重症肺炎(じゅうしょうはいえん)になってしまう事があります。
重症肺炎は命にかかわる症状なので、治療としてはステロイドの薬を使っていきます。
ステロイドの薬は効き目が強いのですが、体に何かしらの副作用が残りやすいです。

 

ステロイドと大腿骨頭壊死症

大腿骨頭壊死症とは、太ももの骨の股関節部分が壊死(えし)を起こしてしまう病気です。
壊死というのは文字通り細胞が壊れて死んでしまっているので、自然には元に戻らない状態です。
ステロイドを大量に投与した時に副作用として大腿骨頭壊死症が起こるといわれています。


実際に中国でSARS(サーズ)が流行った時に、大量のステロイドを治療で使用したために大腿骨頭壊死症の患者さんが増えたという報告もあります。
また有名な科学雑誌でも、今後5年以内に新型コロナの治療の影響で、大腿骨頭壊死症が増えるリスクがあるという記事もあります。

大腿骨頭壊死症の治療

大腿骨頭は血管の流入が少ないところなので、自然に自分の体が治してくれる事はありません。
大腿骨頭の壊死が進行すると骨が潰れてしまい、股関節としての機能を失ってしまいます。
今までは効果的な治療はあまりなく、骨頭を切って人工関節を新たに入れる方法しかありませんでした。
人工関節を入れるのは簡単な手術ではなく、患者さんの体にもダメージが大きかったです。
また、手術後は傷跡が痛んだり、脚全体が浮腫んだりする後遺症もありました。

大腿骨頭壊死症の幹細胞治療

今までは、壊死した部分を元に戻す事はできないとされていました。
しかし、幹細胞治療によって修復できる事がわかってきました。
実際に当院でも、大腿骨頭壊死症の方に幹細胞を投与することによって良くなっている症例があります。
自分の細胞によって壊死しているところを治していくので副作用もありません。
従来は手術しか大腿骨頭壊死症の治療法がなかったのですが、幹細胞治療という選択肢も増えました。

今回のまとめ

早いとステロイドを使用して半年経つと、骨頭が壊死してくるケースがあります。
もしコロナの治療でステロイドを使った場合は、MRIで検査をすることをオススメします。
症状の進行が早めの段階であれば、関節の中に幹細胞を入れたり、直接骨の中に入れる方法などの治療もできます。


早めに症状が見つかれば、早めに治療を開始する事ができます。
コロナの治療後に股関節に違和感がある方は、一度当院へご相談下さい。

※今回の内容は以下の動画でも見ることが可能です。

何かご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
少しでも興味がある方は、当院の公式サイトをご覧頂き、お気軽にお問い合わせ下さい。