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お茶の水セルクリニック外来担当ドクター~齋藤 琢先生の紹介~

2024年04月14日(日)

こんにちは、お茶の水セルクリニックの寺尾です。
今回は当院で水曜日の外来を担当していただいてもらっています、齋藤先生にインタビューをしてみたいと思います。
齋藤先生、よろしくお願いします。

齋藤医師
水曜日の外来を担当しております、齋藤 琢と申します。よろしくお願いします。

なぜ整形外科医になろうとしたのか?

寺尾院長
なぜ齋藤先生は、整形外科医になろうと思いましたか?
いろいろな診療科目がある中で、整形外科医を選んだ理由をお伺いたいです。

齋藤医師
もう整形外科医になって、今年の春で27年目になります。
整形外科を選んだ理由としては、学生の時にいろいろな診療科を回って一番魅力があった診療科でした。
先輩の医師達が本当に素敵な人が多くて、雰囲気が良くて 「ここなら楽しそう」というので選んだのが一番大きな理由です。
あとは「手術をしたかった」というのもありまして、自分の手で患者さんを治せるということも魅力な診療科でした。

寺尾院長
その様なことを先輩から聞いて整形外科を選んだ、もう一つは扱う疾患の幅が広いということですね。

齋藤医師
特定の臓器だけではなくて、首から下を広く扱えるので人の全体を見られる診療科だというのも魅力に感じました。
患者さんは、スポーツの方もいればご高齢の方もいました。
人に寄り添ってライフスパン全般を担当していくところに魅力を感じました。

整形外科医として得意としているジャンル

寺尾院長
齋藤先生は整形外科の専門医でいらっしゃるので、基本的に全般的に詳しいとは思いますが特に得意としているジャンルはありますか?

齋藤医師
当初私の経歴としては、脊椎の専門としてスタートして修行を積んでいました。
医者になって6〜7年目の時に大学院に進学しまして、基礎研究に携わることになりました。
そこで軟骨細胞の研究(分子生物学)の研究を始めて、必然的に変形性膝関節症や関わらせてもらっている再生医療などの研究をしていました。
大学院は基本的には4年間なので、その後は臨床に戻るというのが一般的なコースですが、研究があまりにも楽しくて「もう人生を研究に捧げたい!」と思い、整形外科医を辞めて基礎研究者としてやっていこうとしました。
外来の診療は続けていましたが、手術室には行かないようになり基礎研究を続けてもう17〜18年です。
それで変形性関節症が研究の対象だったので、臨床でも今は“変形性関節症の保存療法”で手術以外の治療法をメインとしています。
“再生医療”は私がライフワークとして取り組んでいるジャンルにもなってきています。

もう一つは基礎研究と非常に距離が近い“骨代謝”です。
骨粗鬆症も私の専門分野の一つとして東大病院の方で“骨粗鬆症センター”というのを内科や産婦人科の先生と合同で2018年に作りました。
全国から診断が難しい重度の骨粗鬆症の患者様を受け入れて診療しております。
なので“変形性関節症”と“骨粗鬆症”が私の得意なジャンルです。

寺尾院長
齋藤先生が基礎研究を積み上げていただいているお陰で、安心して治療ができます。
「なぜ効いていくか?」というところは、医療を進めていく上ではとても大事なところなので、しっかりと厚みを持って研究していただけているのでとても助かっております。

今後の再生医療に期待すること

寺尾院長
最後の質問になりますが、細胞治療・再生医療に今後期待することをお聞きしたいです。

齋藤医師
細胞治療の一番の魅力はものすごく少ない“侵襲(しんしゅう)”です。
患者さんの負担が少ない治療であって、リスクが非常に少ない治療でありながら長期間にわたって効果が持続するという点が魅力です。
変形性関節症に対する細胞治療は、再生医療というカテゴリーになっているので、ホームページを見て来院いただける患者さんは「すり減った軟骨が再生する」「無くなった半月板が元に戻る」という期待を持って来院される方が多いです。
この治療は、一部の患者さんで軟骨が少し分厚くなることは間違いないと思いますが、痛みが消えるわけではなくて、関節の痛みの原因となりやすい場所の炎症を鎮めることで症状を楽にするというのが事実です。
痛みが出にくい膝に変えていくということですね。
変形性関節症を元に戻せるわけではないけど、痛みが出にくい関節にしていくことで日常生活が楽になる効果が期待できます。
1回の治療で長い方は数年保つということは分かってきていますので、変形を元に戻すわけではないけど、注射1本で日常を数年間にわたって楽にしてあげられるのが最大の魅力ですね。

寺尾院長
私も関節の変形が進んでしまうのを戻してあげることは、正直難しいなとは思っております。
ただ以前、限局した関節軟骨損傷に対して関節軟骨のなかで荷重が比較的かからない辺縁部から骨軟骨柱を採取し、損傷部に移植する手術で“モザイクプラスティ”という手術があります。
その移植しても全然痛みが取れないような方もいらして、軟骨を治すこと自体の意義も昔からいわれてたと記憶してます。
関節全体のコンディションを良くして、痛みが出にくくして変形が残ったとしても関節の痛みがなくなるとすごく生活しやすくなります。
そこを目指していくことができる治療は、あまりないのかなと思っていました。

そのメカニズムを齋藤先生達が研究してくれるので、本当にいつも感謝しております。
患者様に説明するときも、過剰な期待を持たせるわけでもなく過少な治療であるということでもなく適切な説明ができるようになってきていると個人的には思っております。

今回は水曜日の診療を担当している、齋藤 琢先生のご紹介でした。
今後も他の先生方のご紹介をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

※今回の内容は以下の動画でも見ることが可能です。

何かご不明な点等ございましたら、当院の公式サイトからお気軽お問い合わせください。

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