再生医療は、テニス肘・ゴルフ肘と言われる症状にも効果があるのでしょうか。
2021年09月10日(金)
こんにちは。お茶の水セルクリニック院長の寺尾です。
この度、Youtubeとブログで改めて、再生医療について詳しく解説していくこととしました。
当企画では、皆様のご質問にお答えすることで、再生医療の適切な情報をお届けしたいと思っております。
今回は、「テニス肘・ゴルフ肘に再生医療は有効か?」についてお話ししたいと思います。
再生医療の適応範囲
再生医療の適応についてですが、整形外科で扱う部分である肘・足首・膝・股関節・肩は全て治療対象です。
“適応症”
ある薬や療法によって、その治療の効果が期待できる病気や症状。
Weblio辞書より
※ 再生医療から見たときに適応症である事(=再生医療が効果を発揮しそうな症状であること)を、一般的に「適応である」と表現します。
“整形外科の治療範囲”
整形外科の守備範囲は他のどの診療科より広範で、全身すべての関節、筋肉、四肢の血管、皮下組織から脊椎、脊髄、末梢神経などの運動器(体を動かす部分に関わるところ)が対象となり、年齢も新生児、小児から高齢者までを扱います。
日本整形外科学会より
テニス肘・ゴルフ肘とは?
テニス肘・ゴルフ肘は、肘の腱の端っこ部分のトラブルになります。
骨と腱の組織では、硬さが違います。肘に負荷がかかりすぎると、硬い骨と骨より柔らかい腱の硬さの差で、炎症やダメージ、症状が出ることがあります。
テニス肘・ゴルフ肘の治療
症状が出た部分にPRPや幹細胞を入れてあげると、硬くなった部分を柔らかくでき炎症を取ることができます。その結果、余分な神経の刺激をなくし肘の痛みが取れることになります。テニスやゴルフのスイングの時の痛みが減ることが期待されます。
PRP・幹細胞 どちらの治療が良いか
症状が軽い方であれば、PRP療法で十分効果が出ます。
“PRP療法とは”
PRP(多血小板血漿)に含まれる成長因子の力を利用して、人が持っている治る力を引き出し、治癒を目指す治療です。PRPは、患者さん自身の血液から、血小板濃度を通常の血液の約3~7倍に濃縮したものです。これを使って傷ついた組織などの治癒を目指す再生医療が進められています。
再生医療ポータルより
ただし、症状が長く続く方や、ストレッチを行ってもなかなか痛みが引かないような方は、しっかりと幹細胞を使って修復すべきです。
”幹細胞治療とは”
幹細胞治療とは、幹細胞あるいは幹細胞から派生した細胞を用いて、ダメージを受けた患者の細胞や組織を修復したり再生したりする治療方法を指します。その際用いる幹細胞は、血液中に投与される場合もありますし、あるいは患部に直接移 植される場合もあります。また、治療に用いる幹細胞は、患者自らの組織から集める場合も有り得ます。
この症状が起こる腱の端の部分は血流が悪く、もともと細胞の数が少ない場所です。
PRP治療では、PRP自体が治すというよりは、周りから細胞が集まってきて治るという流れになります。なので、症状が重い場合や長く続く場合は、幹細胞治療にするほうが効果的になります。
今回のまとめ
テニス肘・ゴルフ肘は、再生医療の効果が期待できる症状です。
軽いものであればPRP治療も有効ですが、しっかりと修復をしていこうと思ったら、幹細胞を使って治療をしていくのが良いと思います。
今日の内容は以下の動画でも見ることが可能です。何かご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
少しでも興味がある方は、当院公式サイトをご覧頂き、お気軽にお問い合わせ下さい。
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