【変形性ひざ関節症に対する幹細胞治療のレビュー】―Dr松﨑の海外論文解説
2020年11月30日(月)
今年の6月に当クリニックから変形性ひざ関節症に対する脂肪幹細胞の関節内への注射療法について
研究結果が発表され、幹細胞治療の効果を認めたことを報告いたしました
(Regen Ther. 2020 Jun; 14: 332–340. )。
今年の9月には海外論文を寄せ集めてシステマティックレビューというエビデンスレベルの高い論文が
発表されましたので、解説したいと思います。
紹介する論文はこちら。
変形性ひざ関節症に対する幹細胞治療:システマティックレビューとメタ解析
J Orthop Translat. 2020 Sep; 24: 121–130.
筆者らは変形性ひざ関節症に対して行われた19本の研究をレビューしています。
対象は2012年~2019年の間に行われた研究で
患者総数:584名
対象年齢:35歳~75歳
1本あたりの論文の患者数:9名~60名
幹細胞の種類:脂肪由来9研究、骨髄由来5研究、末梢血由来1研究、胎生由来4研究
1回あたりに投与した幹細胞の数:189万個~1億個
投与方法:ひざ関節内への注射
となっています。
そして結果になりますが、
①すべての研究で治療を受けてから1年後の痛みの度合いを改善!
②WOMACと呼ばれる膝の機能やQOL(生活の質)に関するスコアの改善
③副作用は対象群(幹細胞の治療を受けていない群)と変わりなし。
つまり安全で効果の高いものという結果になりました。
それぞれの研究の患者数がまだまだ少ない状況ではあるので、もっと多くの患者さんへの治療の結果が
これからも出てくるものと思われますが、幹細胞治療の効果というものがはっきり明確に
示された形となりました。
ここで注目したいところは投与した幹細胞の数です!
この研究では少ないところでは1回あたり200万個弱しか投与していないのですが、
当院では幹細胞を1回あたり1億個は投与することを目標に治療を行っています!
現在も多くの患者さんからの相談をいただき、治療を続けております。
ひざの痛みにお悩みの方は是非当院へご相談ください!
無料コンサルトも実施中です。
最新のお知らせ
- 2024/11/06
- 院内に飾っているイラスト「宮下あきら先生の魁!!男塾」の紹介
- 2024/10/08
- 【骨粗鬆症と骨折】Dr佐藤ブログ
- 2024/08/26
- お茶の水セルクリニック外来担当ドクター~有野 裕介先生の紹介~
- 2024/08/08
- 脂肪由来幹細胞を使った治療で使う細胞培養に必要な採取脂肪量の変遷
- 2024/08/03
- 幹細胞点滴治療の弱点とは?慢性疼痛・脊髄損傷・フレイルに対しての治療法