【個別化されたリハビリテーションがベストか?】―院長のブログ
2021年06月14日(月)
今回は、リハビリテーションの効果について書かれた論文を紹介したいと思います。
van Dillen, L. R., Lanier, V. M., Steger-May, K., Wallendorf, M., Norton, B. J., Civello, J. M., … & Lang, C. E. (2021). Effect of Motor Skill Training in Functional Activities vs Strength and Flexibility Exercise on Function in People With Chronic Low Back Pain A Randomized Clinical Trial.
この論文は腰痛について研究したものになります。
当院では腰痛の方向けの再生医療はまだ行っていないのですが、
リハビリテーションの側面から興味深い内容でしたのでご紹介したいと思います。
慢性の腰痛に対して、どのようなリハビリテーションを行ったら良いかを検証するため、
一般的な運動療法と動きなどを評価した上で行う個別化した運動療法(motor skill training: MST)
とを行う2つのグループを比較しています。
その結果、個別化したリハビリテーションの方が、より症状が改善し、
半年経過した時点でも差があったとのことでした。
腰痛は急性期の短期間(数日)のみ安静にして、その後は可能な範囲で動いていた方が
症状が早く改善することが分かっています。
以前は長期間安静にすることが多かったのですが、動いた方が改善しやすくなる
という考え方が一般的になってきました。
これは関節の症状にも言えるのではないかと考えています。
強い痛みが出ている急性期には安静が必要ですが、慢性期の場合は動いていた方が良くなる
という方が多いです。
当院で推奨しているブラブラ体操を行うだけで症状が改善することもあります。
動かすことで、元々の修復力を活用しやすくなるからではないかと考えています。
個人的には、整形外科の病気を治療する際には、個別化したリハビリテーションを
行えることが理想的だと考えています。
以前には個別化したリハビリテーションを行うことに特化したクリニックを開業していたこともあり、
その感覚には自信があります。
しかし、個別化したリハビリテーションを行うのと同じぐらい、毎日動かすことも大事だと思っています。
毎日、自宅でリハビリテーションを行うことは、とても面倒ですし、
モチベーションを保つことは大変だと思います。
それでも、努力は報われると思い、日々のリハビリテーションに取り組んでいただけたらと思います。
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