【アイシングの効果と方法について】ースタッフブログ
2020年11月20日(金)
こんにちは!看護師の吉村です。
膝関節の細胞治療において、修復の過程で一時的に水が溜まってしまう事があります。
その他、「変形性膝関節」などの炎症による水腫も同様な症状や痛みが見受けられます。
膝の関節をスムーズに動かす為の潤滑油として働く関節液は、本来どなたにでも存在しているものです。
アライメント(骨の配列)が崩れた状態での繰り返される日常動作により軟骨がすり減ってしまったり骨同士が直接こすれ合ってしまう事による炎症や、幹細胞治療の局所注射により関節内に細胞が大量に発生するなど、何かしらの異常をレセプターがキャッチします。
その反応として関節液が過剰に分泌され、関節内にある袋[関節包]が膨隆し痛みが発生してしまいます。
関節に水が溜まってしまった時や炎症時の対策として“鎮痛剤” “アイシング” “関節運動”などの対応がお勧めです。
以前は関節運動について簡単にご紹介させて頂きました。
その中でも今回はアイシングの方法として“RICE処置”についてご紹介したいと思います。
アイシングは、血管の拡張や収縮を促すことで消炎鎮痛や腫れの予防につながります。
市販のものでアイシング用保冷剤等も売られていますし、手元にない方はご自宅にあるもので簡単に行えますので、簡単にご紹介します!
―注意事項―
①皮膚に寒冷アレルギーなどが出たことがある方はアイシングはせずに医師に相談のもと対応してください。
②食品用の保冷材などの使用は低温火傷等の皮膚の炎症につながってしまうので、市販されているアイシング用のパックや氷嚢を用いて行って下さい。
③就寝時には行わないようにして、なるべく一度に長時間の使用を避けましょう。
―RICE処置―
<R ~rest~>
アイシング中はなるべく安静にします。体位は仰臥位が理想的です。
<I ~icing~>
冷却によって炎症症状を軽減します。
一度に行う時間は20分程度を目安に、小1時間つぎのアイシングまでに間隔を空けてから再度行うといったように間欠的に繰り返していきます。
ビニル袋を二重にしたものに氷を入れて患部に当てるなど、ご自宅にあるもので十分に行えます。
<C ~compression~>
腫れを軽減するために弾性包帯などで圧迫するように固定します。
巻く方向は心臓から遠いところ(末梢)から心臓に近いところ(中枢)に向かって巻いていきます。
末梢循環不全が起きてしまう程きつすぎないか、爪や指を押すなどして血色の戻りを確認していきます。血色が戻るまでに2秒以上かかっている場合は少し緩めて巻きなおす事をお勧めします。
<E ~elevation~>
クッションなどを利用して心臓よりも高い位置に治療部位を挙上します。末梢に行くにつれ滞りやすい血液を心臓に送り戻し循環を促すことで、腫れを予防・軽減します。
運動をする事で活性化した細胞の働きとしてコラーゲン産生能も高く、痛みが伴ったところで運動を止めてしまうと却って関節の動きが硬くなってしまう可能性もあります。
なので、細胞治療では痛みに応じてアイシングのような物理療法を用いながら痛みや腫れの対処をして運動を継続していくことがとても大事になります。
細胞投与後の症状についてのご相談もお気軽にお申し付けください。
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