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【股関節に対する幹細胞の効果について②】―院長のブログ

2021年05月10日(月)

前回は骨髄由来幹細胞による変形性股関節に対する治療効果についての論文をご紹介しました。

今回は脂肪由来幹細胞を使った治療の変形性股関節症に対する効果についての論文を

ご紹介したいと思います。

 

Dall’Oca Carlo, B. S., Nicholas, E., Roberto, V., Elena, M. S., & Bruno, M. (2019). Mesenchymal Stem Cells injection in hip osteoarthritis: preliminary results. Acta Bio Medica: Atenei Parmensis90(Suppl 1), 75.

 

この論文は2019年に発表されたもので、脂肪由来の間葉系幹細胞の治療効果について書かれたものです。

 

6人の患者様に対して治療を行った結果をまとめています。

患者数としては少し少ないものになっていますが、論文としてデータをまとめる際には、

諸条件と統一する必要があるため、仕方がないことだと思います。

 

治療法としては、細胞培養は行わずに、60mlの脂肪から抽出した脂肪由来幹細胞を関節の中に

注入する方法を採用しています。

 

この論文では、治療後半年後に、追跡調査を行った結果、痛みやスコアが改善することが示されています。

勿論、副作用についても問題ないとのことでした。

 

膝に比べて、股関節に対する幹細胞治療の論文が少ないように思います。

それでも、世界中から論文は発表されていますので、股関節に対する治療効果についても科学的に

検証が進んでいると考えて良いと思います。

 

股関節についても、ブラブラ体操のようなものを行っていただくのが良いと思います。

 

先日治療を行った患者様が、とても積極的にブラブラ体操を行ってくださいました。

1日300回以上行っていたとのことでした。

細胞を投与する前から行っていただいていたところ、それだけでも股関節の症状が

軽くなったとのことでした。

ただ、立ってブラブラさせるため、200回以上行う場合は体重が乗っている方の股関節が、

少し辛かったと言っていました。

ブラブラすること自体はとても良い方法ですが、実際に動かす方法については

検討が必要なように思いました。

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