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Rejoint Clinic Dr K 黒田先生対談の後半「人工関節の前にできること」

2026年04月17日(金)

こんにちは。お茶の水セルクリニックの寺尾です。
今回は引き続き、Rejoint Clinic Dr.Kで黒田先生に伺った内容を、ブログ向けに整理してお届けします。

前回のブログ
Rejoint Clinic Dr K に寺尾先生が訪問・院内紹介します

前回は股関節のお話が中心でしたが、実際の診療では「膝の患者さんは多いのか」「膝に対して細胞治療はどの段階で考えるのか」という点を気にされる方が多いと思います。
そこで今回は、膝関節に関するお話を中心にまとめます。

膝の患者さんは“人数としても多い”

黒田先生のお話では、やはり多いのは膝の患者さんとのことでした。
股関節と比べても膝は悩んでいる方の母数が大きく、日常生活の中で痛みや不安を感じやすい部位でもあります。
実際に「膝が痛い」と感じて医療機関を受診する方は多く、治療の選択肢も段階的に考える必要があります。

まずは保険診療の基本を丁寧に積み上げる

膝の治療で大事なのは、いきなり何か“特別な治療”に飛びつくのではなく、まず標準的なアプローチをきちんと踏むこと。
黒田先生は、保険診療の範囲でヒアルロン酸注射などを「まだやっていない方はまずトライしてみる」という流れを取っているとお話されていました。
ここで大切なのは、「ヒアルロン酸をやれば必ず良くなる」という意味ではなく、現時点で一般的に行われている治療を一度整理して、患者さんの反応を確認すること。
実際に合う方もいれば、十分な効果を感じにくい方もいます。だからこそ“まず試して、効き方を見て、次の一手を考える”という順番が重要になります。

効かない方に“次のステップ”として細胞治療などを提示する

ヒアルロン酸などの保存的な治療で効果が乏しい場合、次のステップとして「幹細胞治療などがありますよ」という形で提案していく、というのが黒田先生の基本スタンスでした。
実際、細胞を使った治療を受けた方の中には「すごく軽くなりました」「痛みが減りました」と話される方もいて、黒田先生としても“効果を実感している人がいる以上、効果はあるんだろうな”と受け止めている、というニュアンスでした。もちろん、これは全員に同じような変化が出るという意味ではありません。だからこそ、治療の目的や期待値、今の状態で狙えることを共有したうえで、選択肢として提示していくことが大切になります。

バイオセラピーは「手術に取って代わる」ではなく「手術の前で活用する」

印象的だったのは、バイオセラピー(細胞治療を含む再生医療系の選択肢)を「手術にとって代わるタイプではない」と明確に捉えている点です。
一方で、「手術の手前としてうまく活用する」という考え方には、現実的な価値があります。たとえば、手術のタイミングをなるべく後ろ倒しにしたい、手術ができる(あるいは踏み切る)までの間、少しでも楽に生活したい。そういった目的で、治療の“つなぎ”として活用していくのも一つの使い方になる、というお話でした。
「今すぐ手術しかない」と言われてしまうと、患者さん側の気持ちが追いつかないこともあります。痛みの程度、生活の状況、仕事や家庭の事情、手術への抵抗感など、患者さんには患者さんの考えがあります。その希望に合わせて、現実的な提案の幅を持てることが、バイオセラピーの強みになり得る——この視点は、実際に治療を選ぶ立場の方にとって安心材料になると思います。

受診される年齢層と「大きい病院での提案」への違和感

患者さんの年齢層は50〜60代が多く、70代の方もいらっしゃるとのことでした。また、大きい病院に行くほど人工関節を勧められる傾向がある、という話も出ました。その提案自体が間違いということではありませんが、「自分の希望や生活に合っているのか」「他の選択肢は本当にないのか」と疑問を持って受診される方が一定数いる、という印象を語られていました。
だからこそ、患者さんの状態を見たうえで、手術・保存療法・再生医療系の選択肢を並べて検討できることが重要になります。

自費診療の良さは「ゆっくり向き合える時間」

黒田先生は、自費診療について「患者さんとゆっくり向き合う時間が取れる診療」だと話されていました。選択肢を提示するときに、急がせず、説明を重ね、患者さんが納得して選べる余白がある。これは実際、治療結果以前に“治療に向き合うプロセス”として大切なポイントです。治療を受ける側としては、情報が多いほど迷いますし、決断には時間も要ります。その時間を確保しやすいことが、自費診療の一つのメリットだという考え方です。

リハビリ・MRIの連携も含めて「状態に合わせた提案」を作る

細胞治療というと、どうしても「入れたら終わり」というイメージを持たれがちですが、実際にはリハビリと切り離せない、という話も出ました。黒田先生のクリニックでは、近隣の優秀なリハビリ施設を紹介しているとのことです。具体的にはフィジオセンターさんの名前が挙がり、首都圏の患者さんが通われていて評判も良い、という流れでした。
また、MRI検査についても、近い医療機関に依頼しながら評価を行い、その評価に合わせてベストな提案をしていく、という考え方が共有されていました。状態を把握し、必要な情報を揃えたうえで治療を組み立てる。ここが、再生医療を含む選択肢を検討する際の土台になります。

予約制が基本。気になることがあればまず相談を

診察は予約制が基本ですが、手が空いていれば当日でも診られることがあるので「いつでもお越しください」というお話でした。細胞治療を検討している方も、いきなり治療を決める必要はありません。まずは状態を確認して、どの段階の治療が合うのか、何を優先するべきかを整理するところからで十分です。

こちらの内容は動画でもご覧いただけます。


今回の対談を通じて、膝の治療は“順番”が大事であり、細胞治療(バイオセラピー)はその順番の中で「手術の前」に現実的に活用していく選択肢として位置づけられている、という点がよく伝わってきました。膝の痛みでお悩みの方は、今の治療がどの段階にあるのか、次に何を検討するべきかを一度整理するだけでも、気持ちがかなり楽になることがあります。気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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