PRP(多血小板血漿)の種類について
2023年03月18日(土)
こんにちは、お茶の水セルクリニックの寺尾です。
今回は、PRP(多血小板血漿)の種類についてお伝えしていきます。
PRPの定義とは
PRP療法というとスポーツ選手が怪我をした時に行うのが有名なので、スポーツをしている方は知っているかもしれません。
しかし、PRPという定義はコレといったきっちりした定義はありません。
通常の血液よりも濃縮したものをPRP(Platelet Rich Plasma)と呼びましょうとしています。
そもそも用語が専門的なので簡単に説明します。
血小板(けっしょうばん)
血管が傷ついて出血をした際に、集まってくる血液の成分。
白血病や血友病などで、血小板が少なくなるとアザが出来やすくなる。
血漿(けっしょう)
血液の中の赤血球や白血球などの細胞成分を取り除いた液体。
血漿の中には、タンパク質やブドウ糖などを含んでいる。
献血の血漿成分献血は、この血漿を採取して薬の原料などに使われる。
PRPが使われる主な症状としては
・野球肩
・テニス肘
・肉離れ
・腱板炎
・変形性関節症
・関節捻挫
などの筋肉や靭帯、関節の症状に効果があります。
PRPは遠心分離機で細胞成分と液体成分に分けて、濃度が濃くなった血小板を抽出します。
その抽出したものを、痛みのある傷ついた組織に注射をしていきます。
血小板の出血を抑える効果と幹細胞の炎症を抑える効果で、組織の修復を促す事が期待できます。
PRP療法の3種類のデバイス
当院では症状に合わせて3種類のデバイスがあります。
ACP
一番濃縮度が低い方法で、血小板を抜き出す時に血漿の液体成分も比較的多めに入ります。
血小板を局所に集中的に投与しなくてもいいケースで使っています。
GPS Ⅲ
昔から日本で使われているスタンダートなもので、濃縮度が高いです。
一般的なPRPです。
遠心分離で約15分ほどで、PRP成分を作る事ができます。
関節内に注入する事で、痛みを和らげる効果が期待できます。
APS
GPS Ⅲで作ったものを、さらに遠心分離機で炎症を抑える物質を抽出します。
変形した膝関節など大きい関節に使うケースが多いです。
変形している関節の内部は、関節を破壊するタンパク質が多く活動していて炎症が起こっています。
その炎症を鎮める物質(抗炎症性サイトカイン)を濃縮して抽出し患部へ投与します。
PRP療法の値段などはこちらをご覧下さい
↓
当院のPRP療法・APS療法
今回のまとめ
PRP治療のメリットとしましては、自分の血を使って治療をしていきますので安全性も高く、日帰りの治療が可能です。
デメリットとしては、重症化した症状には効果があまり期待できません。
その場合は、PRP療法より幹細胞治療の方お勧めする事があります。
「自分の症状にはコレが効きそうだ」と判断するのは難しいので、どの治療が自分に合っているのかわからない時は、一度当院までご相談下さい。
※今回の内容は以下の動画でも見ることが可能です。
何かご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
少しでも興味がある方は、当院の公式サイトをご覧頂き、お気軽にお問い合わせ下さい。
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