再生医療で健康寿命を延ばしましょうセミナーPart5 〜寺尾医師による慢性炎症と幹細胞点滴治療編〜
2023年02月26日(日)
こんにちは、お茶の水セルクリニックの寺尾です。
前回に引き続き今回は、慢性炎症と幹細胞を使った治療法についてお伝えさせていただきます。
前回のセミナーのパートはこちらをご覧ください。
↓
再生医療で健康寿命を延ばしましょうセミナーPart3〜寺尾医師による幹細胞治療の概要編〜
再生医療で健康寿命を延ばしましょうセミナーPart4 〜寺尾医師によるフレイルについて〜
慢性炎症とは
炎症と聞くと、体にとってよくない事だと思われる方が多いです。
しかし通常の炎症は、傷ついた部位を治すために必要なものです。
この炎症が必要な期間のみで終わってくれればいいのですが、継続的に続いてしまうとマイナスの要素が多くなってしまいます。
炎症が数週間以上継続したものが、慢性炎症といわれています。
慢性炎症が関与している病気は
・生活習慣病(糖尿病、動脈硬化症など)
・がん
・アルツハイマー病
・慢性閉塞性動脈硬化症
などがあるといわれています。
実は、老化にも慢性炎症が関わっていると近年いわれています。
老化の定義は難しいのですが、老化細胞が溜まってしまう・炎症を抑える幹細胞が減ってしまう・DNAが不安定になり細胞の寿命が短くなるという事が定義として考えられます。
老化細胞の蓄積と幹細胞の減少は、直接的に慢性炎症に関わってきます。
最近できた言葉でInflammation(炎症)という単語とAging(老化)を組み合わせたInflammagingという言葉ができました。
Inflammagingに対する科学的なアプローチとして3,340本の数の論文が2022年11月24日時点で出てきています。
炎症をコントロールする事で、色々な病気や老化に対して対策が出来ると考えられています。
Inflammagingのメカニズムと対策
まだまだわからない事が多いのですが、私が考える仮説はこの様なものです。
年齢を重ねるほど老化細胞が増えていきます。
また、炎症を抑える幹細胞の数は減少してしまいます。
その結果、慢性炎症を引き起こしてしまい老化が進んでしまいます。
セノリティクスという老化細胞を除去する薬と、炎症を抑える幹細胞を投与する事で慢性炎症を鎮めて老化を防ぐ事ができます。
慢性炎症の幹細胞の治療は局所投与より、点滴投与の方が効果を発揮します。
幹細胞点滴治療の良い副作用
幹細胞の点滴治療は、色々な病気に対して効果を発揮できます。
エンドクライン効果といい、遠くの細胞にも働きかける効果で、ホルモンの様な役割をしてくれます。
そのため、身体の広範囲に渡って炎症を抑える効果が期待できます。
患部に狙い撃ちはできないのですが、1種類の細胞でトータル的に対処できるのはメリットのある治療法です。
具体的な幹細胞点滴治療の流れ
採取
お臍の横から脂肪を0.2ml程度採取します。(約5分程度)
培養
1ヶ月かけて培養して数を増やしていきます。
目標の数は体重×200万個なので、体重50kgの方でしたら目標は1億個という事になります。
点滴時間
約1時間30分を見込んでいます。
だいたいは1時間15分ほどで終了します。
投与後
投与後は副作用で熱が出たり、体がだるくなったりする事はないです。
すごく体にとって優しい治療方法です。
再生医療では3つの要素が大切
再生医療には、この3つの要素が大切になってきます。
・細胞(物質を合成)
・液性因子(指示を出す)
・足場(土台を作る)
これらにプラスして
・ドラックデリバリーシステム(局所注射、点滴注射などの患部への届け方)
・メカノバイオロジー(リハビリテーション)
が必要になってきます。
なので幹細胞を投与するというのは、これらの要素の一つにすぎません。
全ての要素が噛み合う事で、身体の機能が回復していきます。
幹細胞点滴治療のまとめ
・慢性炎症に介入する治療法
・身体への負担は少ない
・1つの治療法で色々な病気にある程度対応できる
お茶の水セルクリニックでは、再生医療と整形外科領域に詳しい医師が診察をしています。
細胞を培養する細胞培養加工室(CPC)も上の階にあり、培養も直接管理する事ができます。
また、相談に関しましても無料で行わせていただきます。
保険の診察ですと3分診療といわれるぐらい短く終わってしまい、医師に質問する間もなく終わってしまう事がほとんどです。
当院ではその様な事をなくすために、診察は1時間の枠をとっておりますので、不安な点をしっかりと質問する事ができます。
お悩みのある方はお気軽にご相談下さい。
※今回の内容は以下の動画でも見ることが可能です。
何かご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
少しでも興味がある方は、当院の公式サイトをご覧頂き、お気軽にお問い合わせ下さい。
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