膝の保存療法とは?変形性膝関節症の治療選択肢を解説
2026年06月26日(金)
こんにちは。
お茶の水セルクリニックの杉谷です。
膝の痛みでお悩みの方の中には、
「できれば手術は避けたい」
「リハビリや注射でどこまで改善できるの?」
「PRPや幹細胞治療はどんな治療なの?」
「人工関節を勧められたけれど、すぐに決めてよいのか不安」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
膝の痛みに対する治療には、運動療法、インソール、ヒアルロン酸注射、サポーター、
PRP療法、脂肪由来幹細胞治療、手術など、さまざまな選択肢があります。
今回は、変形性膝関節症などによる膝の痛みに対して、手術以外の「保存療法」を中心に、
治療の考え方を解説します。
膝の保存療法とは?
保存療法とは、手術を行わずに痛みの軽減や膝の機能改善を目指す治療のことです。
変形性膝関節症などで膝に痛みがある場合、まずは保存療法から始めることが一般的です。
代表的な保存療法には、次のようなものがあります。
- 運動療法・リハビリテーション
- インソール・サポーター
- ヒアルロン酸注射
- 体重管理
- 神経に対する治療
- PRP療法
- 脂肪由来幹細胞治療
膝の状態や痛みの程度、生活への影響に合わせて、
これらの治療を組み合わせながら検討していきます。
まず大切なのは運動療法・リハビリ
膝の保存療法で特に大切なのが、運動療法です。
運動療法には、膝関節の可動域を保つ役割と、膝まわりの筋力を維持・強化する役割があります。
特に、太ももの前側にある大腿四頭筋や、太ももの後ろ側にあるハムストリングスは、膝の安定性に関わる重要な筋肉です。
これらの筋力を保つことで、膝関節にかかる負担を軽減できる可能性があります。
膝が痛いと「動かさない方がよい」と思われる方もいますが、状態に合ったリハビリはとても重要です。
手術をする場合でも、しない場合でも、運動療法は膝の治療における基本といえます。
インソールやサポーターで膝への負担を調整する
変形性膝関節症では、O脚傾向になり、膝の内側に負担がかかりやすくなることがあります。
このような場合、インソールを使うことで、体重のかかるラインを調整し、
膝への負担を軽くすることを目指します。
また、膝の不安定感や痛みに対して、サポーターを使用することもあります。
インソールやサポーターは、日常生活での膝の負担を補助する方法のひとつです。
ただし、膝の状態によって合う・合わないがあるため、
医師に相談しながら選ぶことが大切です。

ヒアルロン酸注射や神経に対する治療
整形外科でよく行われる治療のひとつに、ヒアルロン酸注射があります。
ヒアルロン酸注射は、膝関節の動きをなめらかにすることや、痛みを和らげることを目的として行われる治療です。
また近年では、膝の痛みに関係する神経に対して、ラジオ波を用いる治療が行われることもあります。
保存療法といっても、リハビリや注射だけでなく、さまざまな治療選択肢があります。
PRP療法・脂肪由来幹細胞治療という選択肢
自由診療の範囲では、PRP療法や脂肪由来幹細胞治療も、膝の痛みに対する選択肢のひとつです。
PRP療法は、患者さんご自身の血液から血小板を多く含む成分を取り出し、膝に注射する治療です。
脂肪由来幹細胞治療は、患者さんご自身の脂肪組織から得られる細胞を用いる治療です。
これらの治療は、炎症を抑える働きなどが期待されており、痛みの軽減を目指して行われます。
一方で、PRP療法や幹細胞治療によって、O脚やX脚などの脚のアライメントそのものが大きく変わるわけではありません。
そのため、膝の変形が強い方や、歩くたびに膝の一部へ強い負担がかかっている方では、痛みが落ち着いても再び症状が出る可能性があります。
再生医療を検討する際には、痛みの程度だけでなく、膝の変形、アライメント、活動量、今後の生活目標を含めて考えることが大切です。

アライメントとは?
アライメントとは、骨と骨の位置関係や、体重がどこにかかっているかというバランスのことです。
膝の治療では、O脚やX脚の程度、膝の内側・外側のどちらに負担がかかっているかを確認することがあります。
たとえば、O脚が強い方では、膝の内側に負担がかかりやすく、内側型の変形性膝関節症につながることがあります。
ただし、膝だけでなく、足首、股関節、骨盤、腰のバランスが膝に影響している場合もあります。
そのため、膝の痛みは「膝だけ」を見るのではなく、全身のバランスを含めて考えることが重要です。

保存療法で改善が難しい場合は手術も選択肢に
保存療法を行っても痛みが十分に改善しない場合や、
膝の動きが悪く生活に支障が出ている場合には、手術が検討されることがあります。
代表的な手術には、人工膝関節置換術や骨切り術があります。
人工膝関節置換術は、傷んだ関節部分を人工関節に置き換える手術です。
骨切り術は、骨の角度を調整し、膝にかかる体重のラインを変える手術です。
どちらの手術が適しているかは、年齢、活動量、変形の程度、痛みの場所、生活スタイルなどによって異なります。
手術を迷ったときに考えたいこと
手術を受けるかどうかは、患者さんにとって大きな判断です。
大切なのは、痛みの強さだけでなく、生活への支障、仕事や家庭の状況、入院やリハビリに使える時間、今後の目標を含めて考えることです。
人工膝関節置換術では、手術後のリハビリも重要になります。
入院やリハビリにある程度の期間が必要になるため、生活スケジュールも含めて検討する必要があります。
すぐに手術を選びにくい場合には、PRP療法や脂肪由来幹細胞治療などの注射治療を検討することもあります。
ただし、これらの治療は自由診療であり、費用面の負担があります。
また、どの治療にもリスクがまったくないわけではありません。
医師から十分に説明を受けたうえで、ご自身に合った治療を選ぶことが大切です。
膝の痛みでお悩みの方へ
膝の痛みに対する治療には、さまざまな選択肢があります。
保存療法としては、運動療法、インソール、ヒアルロン酸注射、サポーター、体重管理、神経に対する治療、PRP療法、脂肪由来幹細胞治療などがあります。
保存療法で改善が難しい場合には、人工膝関節置換術や骨切り術などの手術も選択肢になります。
大切なのは、どの治療が一番よいかを一律に決めることではありません。
膝の状態、痛みの程度、アライメント、年齢、活動量、生活スタイル、
今後の目標を総合的に考えることです。
お茶の水セルクリニックでは、膝の痛みに対して、患者さん一人ひとりの状態や
ご希望を伺いながら、治療の選択肢についてご説明しています。
膝の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
※本記事は、膝の痛みに関する一般的な医療情報の提供を目的としたものです。特定の治療効果を保証するものではありません。実際の治療の適応は、医師の診察、画像検査、既往歴、全身状態などを踏まえて総合的に判断されます。
※PRP療法や脂肪由来幹細胞治療などの再生医療は、自由診療として行われる場合があります。治療内容、費用、想定されるリスクや副作用、治療後の経過について、事前に十分な説明を受けたうえでご検討ください。
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