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医師と話そう! 気になる医療のこと ゆるっとライブ 〜サポーターのこと〜

2026年08月21日(金)

こんにちは、お茶の水セルクリニック院長の寺尾です。

先日、第3回となるYouTubeライブを行いました。今回も前回に引き続き杉谷先生に参加していただき、「サポーター」をテーマにお話ししました。

膝が痛くなったときに、とりあえずサポーターを買ってみた経験がある方も多いのではないでしょうか。
ドラッグストアやインターネットを見ると、薄いものからかなり頑丈なものまで、本当にたくさんの種類があります。

「どれを選べばいいのかわからない」
「ずっと着けていても大丈夫なのか」
「サポーターを着けると筋力が落ちるのではないか」
といった質問は、外来でもよくいただきます。

今回はライブの内容をもとに、サポーターにはどのような種類があり、どんな場面で使い分ければよいのかを整理してみたいと思います。

サポーターは大きく分けると3つのタイプがあります

今回のライブでは、膝のサポーターを大きく3つに分けて紹介しました。

一つ目は脚を通して履く筒型のサポーター、二つ目は前を開いて装着し、面ファスナーやベルトを使って締め具合を調整するタイプ、三つ目は必要な部分をバンドで圧迫したり支えたりするバンド型です。

どれも「サポーター」という名前ではありますが、期待される役割はかなり違います。大切なのは、単純に「一番強そうなものを選ぶ」のではなく、今の症状に対して何をサポートしたいのかを考えることです。

手軽に使える「筒型サポーター」

筒型は、スポッと脚を通して履く一般的なタイプです。比較的価格も手頃で、ドラッグストアなどでも購入しやすいため、最初に使うサポーターとしては取り入れやすいと思います。
高齢の方では、膝まわりを温める目的で使われていることもあります。

一方、単純な筒型の場合、膝全体を圧迫することはできますが、靭帯の動きを補助したり、横方向のぐらつきを強く抑えたりする力はそれほど高くありません。
そのため、軽い違和感がある、冷えると少し痛い、普段の生活で少し安心感がほしい、といった場面では使いやすい一方、膝の不安定感が強い方には物足りないことがあります。

ただ最近では、同じ筒型でもかなり工夫されたものが出ています。
以前ブログでもご紹介したBAUERFEINDのサポーターなどは、ただ圧迫するだけではなく、膝の動きに合わせて支えるためのパーツが組み込まれています。

膝は単純に曲げ伸ばししているように見えて、実際には回旋したり、骨がわずかに移動したり、お皿が動いたりと、かなり複雑な運動をしています。
その動きを完全に止めるのではなく、正しく動くことをサポートするという考え方の製品も増えてきています。

安定性を求めるなら面ファスナータイプ

もう少ししっかりと膝を支えたい場合に使われるのが、面ファスナーやベルトで締めるタイプです。
前が開くようになっており、装着したあとにベルトで締め具合を調整できるものが多くあります。

製品によっては斜め方向にベルトが入り、靭帯を補助するような形で膝を支えたり、両側にステーが入り、横方向のぐらつきを抑えたりするものもあります。
杉谷先生も、患者さんに案内するときには、簡単な筒型よりも、この程度の固定力があるタイプをすすめることが多いと話していました。

特に、痛みや腫れが強いとき、普段より長い距離を歩くとき、旅行などで活動量が増えることがわかっているときには、こうしたサポーターが助けになる場合があります。ただし、安定性が高くなるほどサポーター自体は大きく、頑丈になっていきます。
ズボンの下に入れにくい、暑い、動きにくいなど、日常生活では使い勝手とのバランスも考えなければなりません。

「サポーターをすると筋力が落ちる」は本当?

患者さんからよく聞かれるのが、「サポーターに頼っていると筋力が落ちませんか?」という質問です。

以前は、「サポーターを着けすぎると筋力が落ちる」と説明されることもあったと思います。今回のライブでは、サポーターを着けることそのものよりも、痛みを理由に身体を動かさなくなることの方が問題ではないかという話になりました。

サポーターを利用して痛みや不安定感をコントロールし、その結果として歩いたり身体を動かしたりできるのであれば、筋力の維持という意味でもプラスになる可能性があります。

もちろん、サポーターを着けていれば何をしても大丈夫という意味ではありません。
ただ、「筋力が落ちるのが怖いから痛くても着けない」というより、必要なときにはサポーターを使いながら動ける環境を作る、という考え方でよいと思います。

天気の悪い日だけ痛む場合は?

ライブ中には、「家族が天気の悪い日だけ膝が痛むのですが、普段からサポーターを着けた方がよいですか?」という質問もいただきました。

痛みがないのであれば、必ずしも毎日着ける必要はないと思います。
サポーターは、着けることで膝の病気そのものが治る道具ではありません。
あくまで、その時の痛みや動きをサポートするためのものです。

膝が腫れているとき、天気が悪く痛みが出ているとき、旅行などでいつも以上に歩くときなど、着けることで楽になるタイミングに使うという考え方でよいと思います。

反対に、暑い季節に毎日着けていることで皮膚がかぶれたり、かゆみが出たりする方もいます。
必要がないときまで無理に使い続けるのではなく、ご自身が楽になる場面で利用するのがよいでしょう。

バンド型は「狙った場所を支える」

バンド型は、膝全体を包むというより、特定の場所にかかる負担を減らすために使われるタイプです。たとえば、オスグッド病で膝のお皿の下に痛みがある場合に使われるバンドや、テニス肘などで腱への負担を減らすために使うバンドがあります。

こうした製品は、腱を圧迫する位置を変えることで力が伝わるポイントを変え、痛みの出ている付着部への負担を減らすという考え方で作られています。
非常にシンプルで使いやすい反面、作用する場所は限定的です。

つまり、痛みの原因がそこにあるのであれば使いやすいのですが、別の原因で痛みが出ている場合には、期待している効果は得られないかもしれません。
ここで大切になるのが、やはり正しく状態を確認することです。
「膝が痛いから、このサポーター」ではなく、膝のどこが、なぜ痛いのかを見極めたうえで選ぶことが大切です。

サポーターはサイズ選びも重要です

サポーターは、製品だけでなくサイズも非常に重要です。大きすぎればずれてしまい、必要な部分を支えることができません。
反対に小さすぎれば、締め付けが強くなりすぎたり、皮膚への負担が増えたりします。

今回のライブでも、可能であれば実際に試着してから購入する方がよいという話になりました。

BAUERFEIND FLAGSHIP TOKYOでは、専用の測定器で身体を計測し、体型に合ったサイズを提案してもらうこともできます。単に商品を並べているだけではなく、自分に合うものを探すという考え方は、サポーターを選ぶうえでとても重要だと思います。

整形外科医や理学療法士に相談するのもよいですし、フィッティングに詳しい専門店で相談するのも一つの方法です。

サポーターは「治すもの」ではなく「動くために使うもの」

今回のライブを通して一番お伝えしたいのは、サポーターの役割についてです。

サポーターを着けたからといって、変形した関節が元通りになったり、傷んだ組織がそれだけで治ったりするわけではありません。
一方で、痛みや不安定感を減らし、身体を動かしやすくするという意味では、とても便利な道具です。

痛いから動かなくなり、動かないことで筋力が落ち、筋力が落ちることでさらに動きにくくなる。
この流れに入ってしまうよりも、必要であればサポーターを使いながら、身体を動かせる状態を作ることが大切だと考えています。

再生医療でも同じですが、治療を行って終わりではありません。治療したあとにどのように身体を使っていくのか、そこまで考えることがとても重要です。

腰痛のコルセットも考え方は同じです

ライブの後半では、腰痛用のコルセットについても話しました。
腰が痛いときに、コルセットを利用して痛みをコントロールしながら動くことは、一つの方法だと思います。

一方で、長期的に考えれば、コルセットだけで腰痛を解決するのは難しいものです。
特にデスクワークが長い方では、腹筋や背筋を含めた身体を支える筋肉を維持することや、長時間同じ姿勢を続けないことも重要です。

今回も、サポーターを使いながら動くことと、筋肉そのものを鍛えて身体を支えられるようにすることは、どちらも必要だという話になりました。

コルセットはあくまで一つの道具です。
薬もサポーターもリハビリも、それ一つですべてを解決しようとするのではなく、その時の状態に合わせて組み合わせていくことが大切だと思います。

自分に合ったサポーターを選ぶことが大切です

今回のYouTubeライブでは、膝を中心にさまざまなサポーターをご紹介しました。サポーターは、種類によって固定力も、使いやすさも、目的も異なります。

手軽に使いたいのか、腫れや痛みを抑えながら動きたいのか、膝のぐらつきをしっかり抑えたいのか、特定の腱や組織への負担を減らしたいのか。同じ「膝が痛い」という症状であっても、選ぶサポーターは変わってきます。

そして一番大切なのは、サポーターを選ぶ前に、自分の身体に何が起きているのかを知ることです。

せっかくサポーターを使うのであれば、ただ強く固定するのではなく、自分の状態に合ったものを使い、少しでも動きやすい環境を作っていただきたいと思います。

「どのサポーターを選べばいいかわからない」「着け方が合っているかわからない」といったことも、整形外科で相談していただいて大丈夫です。今回のYouTubeライブが、皆さんのサポーター選びの参考になれば幸いです。

※今回の内容は以下の動画でも見ることが可能です。

何かご不明な点等ございましたら、当院の公式サイトからお気軽にお問い合わせください。

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