【膝の痛み・変形性関節症】細胞治療の効果を高める「体外衝撃波」の組み合わせ療法
2026年09月11日(金)
こんにちは、お茶の水セルクリニック院長の寺尾です。
今回は、当院でも行っている「体外衝撃波」と、幹細胞治療を組み合わせる考え方についてお話ししたいと思います。
体外衝撃波という治療を、以前より耳にする機会が増えた方もいらっしゃるかもしれません。
体外衝撃波は、その名前の通り、身体の外から患部へエネルギーを加える治療です。
痛みの軽減や、傷んだ組織の修復を促すことなどを目的として使われています。
お茶の水セルクリニックでは、幹細胞治療を受けられたあとに体外衝撃波を組み合わせるケースもあります。
そこで患者さんからよく聞かれるのが、「せっかく入れた細胞に衝撃波を当てても大丈夫なのですか?」という質問です。
今回は、この疑問も含めて、なぜ細胞治療と体外衝撃波を組み合わせることがあるのかを整理してみたいと思います。
体外衝撃波とはどのような治療なのか
体外衝撃波は、身体の外から患部へエネルギーを加え、痛みを抑えたり、組織の修復反応を促したりすることを目的とした治療です。
動画では、体外衝撃波を大きく「集束型」と「拡散型」に分けてご紹介しました。
集束型は、エネルギーを比較的狭い範囲へ集中させることができ、組織の修復を促す目的などで使われます。一方、拡散型は広い範囲へ刺激を加えやすく、痛みを和らげる目的などで使用されます。

お茶の水セルクリニックで使用しているのは、集束型の体外衝撃波です。
痛みが出ている場所だけを見るのではなく、その奥にある組織まで含めて治療を考えたい場合に活用することがあります。
「衝撃波を当てたら、入れた細胞は大丈夫ですか?」
幹細胞治療を受けた患者さんから、ときどきいただく質問があります。
「体外衝撃波を当てたら、せっかく入れた細胞が傷んだり、死んでしまったりしませんか?」
「衝撃波」という言葉だけを聞くと、かなり強い刺激を加えるように感じるかもしれません。
ただ、治療として使用する体外衝撃波は、組織を壊すことを目的にしたものではありません。
患者さんの状態を確認しながら、適切な出力で使用します。
そのため当院では、幹細胞治療のあとにも必要に応じて体外衝撃波を組み合わせています。
もちろん、どのタイミングで、どの程度の出力で行うのかは患者さんの状態によって変わります。
細胞治療を受けた方が一律に体外衝撃波を受けるということではなく、その後の痛みや腫れ、画像所見などを確認しながら判断していきます。
なぜ幹細胞治療と組み合わせるのか
幹細胞治療と体外衝撃波は、まったく同じ働きをする治療ではありません。
だからこそ、それぞれの特徴を活かして組み合わせるという考え方があります。
幹細胞治療では、炎症を抑える方向に働いたり、傷んだ組織の修復に関わる環境を整えたりすることを期待して治療を行います。
一方、体外衝撃波では、患部へ物理的な刺激を加えることで、痛みの反応を抑えたり、組織の修復反応を促したりすることを目的とします。
動画の中でも、体外衝撃波を加えることで、治療後の腫れや過剰な痛みの反応を抑える目的で使用することがあるとお話ししました。

一つの治療ですべてを解決しようとするのではなく、幹細胞治療が得意な部分と、体外衝撃波が得意な部分を組み合わせながら、その方の状態に合った治療を考えていくということです。
骨の中に変化がある膝では、別のアプローチも考える
特に膝の治療では、関節の表面だけでなく、骨の内部に炎症や変化がみられることがあります。
こうした状態では、関節内への細胞治療だけでは十分にアプローチしにくい場合があります。
そこで、体外衝撃波を組み合わせることで、骨の中に起きている変化にも別の方向から働きかけられないかと考えることがあります。
膝が痛いからといって、痛みの原因がすべて軟骨にあるわけではありません。
半月板、滑膜、靭帯、骨など、さまざまな組織が関わっています。
そのため、治療を選ぶときには「どの治療が一番強いか」を考えるのではなく、「今どの組織に問題があり、それに対して何が必要なのか」を見極めることが大切です。
幹細胞治療の効果を待つ期間を少しでも楽に
幹細胞治療では、治療を受けた直後からすべての方が大きな変化を感じるわけではありません。
身体の中でさまざまな反応が起きながら変化していくため、効果を感じるまでにある程度時間がかかることもあります。
一方で、体外衝撃波では、治療後比較的早い段階で痛みの変化を感じる方もいます。
そのため、幹細胞治療による変化を待っている期間に、少しでも痛みを抑えながら日常生活を送りやすくする目的で体外衝撃波を使うこともあります。
治療を受けたあとに痛みが強く、身体をまったく動かせなくなってしまうと、筋力が落ちたり、活動量が低下したりすることにもつながります。
再生医療でも、その後にどのように身体を使っていくかはとても重要です。

治療後の状態を確認しながら、必要であれば体外衝撃波なども利用し、少しでも動きやすい環境を作ることが大切だと考えています。
「幹細胞治療だけ」で考えないことも大切
再生医療についてお話ししていると、「幹細胞を入れれば、それだけで治療は終わり」と考えられることがあります。
もちろん、幹細胞治療単独で経過を見る場合もあります。
ただ、実際の整形外科の治療では、患者さん一人ひとりの状態が違います。
痛みが出ている場所も違いますし、炎症の程度や筋力、身体の使い方、骨の状態も異なります。
だからこそ当院では、一つの治療だけにこだわるのではなく、その方に必要であれば複数の治療を組み合わせることも考えています。
幹細胞治療と体外衝撃波を組み合わせるのも、その一つです。
それぞれの治療が持つ特徴を活かしながら、より痛みを抑えやすい状態を作り、身体を動かしながら治療を進めていくことを目指します。
大切なのは「何を組み合わせるか」より「今の状態を見ること」
体外衝撃波と幹細胞治療は相性が良いから、全員に両方行えばよい、という話ではありません。
重要なのは、まず患者さんの状態を確認することです。
どこに痛みがあるのか、画像ではどの組織に変化があるのか、治療後どのような経過をたどっているのかを見ながら、必要な治療を考えます。
体外衝撃波を加えた方がよい方もいれば、細胞治療だけで経過を見る方もいます。リハビリを優先した方がよい場合や、別の治療を組み合わせた方がよい場合もあります。
治療法ありきではなく、身体の状態を見てから必要なものを選ぶ。
再生医療を行ううえでも、この考え方を大切にしています。
体外衝撃波以外の治療を組み合わせることもあります
今回は体外衝撃波についてご紹介しましたが、細胞治療と組み合わせる治療はこれだけではありません。
たとえば、ラジオ波などを利用して痛みを和らげながら、細胞治療後の身体を整えていくという考え方もあります。
再生医療は「細胞を投与したら終わり」というものではなく、その後の身体の状態まで見ながら治療を組み立てていくことが大切です。
体外衝撃波やラジオ波についても、今後また詳しくお話しできればと思っています。
幹細胞治療を受けたあとに痛みが続いている方や、「体外衝撃波を一緒に受けても大丈夫なのだろうか」と疑問を持っている方は、治療を受けている医師に一度相談していただければと思います。
お茶の水セルクリニックでも、患者さんの状態を確認したうえで、どのような治療の組み合わせが適しているのかを一緒に考えていきます。
※今回の内容は以下の動画でも見ることが可能です。
何かご不明な点等ございましたら、当院の公式サイトからお気軽にお問い合わせください。
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