小村拓哉選手とテニスレッスン
2026年05月29日(金)
こんにちは、お茶の水セルクリニック院長の寺尾です。
今回は第2回として、品川プリンスホテルのテニスコートにお邪魔し、プロテニスプレーヤーの小村拓哉選手と一緒にレッスンを行いました。
当院で治療を受けたあと、テニスができるところまで復帰された方にもご参加いただき、実際に身体を動かしながら「今の身体でどう動くと安全か」「どこを気をつけると長く続けられるか」を、その場で確認していく時間にしています。

治療はもちろん大切ですが、そこで終わりではなく、その後の日常や趣味の場面で「また動ける」を積み上げていくことが、結果としてコンディションを大きく左右するので、こういう“治療の外側”の取り組みも丁寧に続けていきたいと考えています。
まず大事なのは「楽しい」と思えること。
レッスン後の第一声が「すごく楽しかったです」だったのですが、この感覚は単なる感想ではなく、運動を継続していくうえでかなり重要な要素です。
運動は“正しさ”だけでは続きにくく、続く運動にはだいたい「楽しい」と感じられる要素か「できる実感がある」という手ごたえのどちらかが必ず支えになっていて、どちらもないと習慣として残りません。
その意味で、専門家の目がある環境で安心して身体を動かし「無理をしない範囲でできた」という経験を持ち帰れたこと自体が、すでに大きな価値だと感じました。

今回の相談の一つに、「以前の感覚だと腰を下ろして体重移動をしていたけれど、今は低い姿勢がつらくて手で打っている感じがするので、無理して下げた方がいいのか」というものがありました。
最初から無理に低くしなくて大丈夫で、ラリーが安定する前の段階で姿勢だけを作ろうとすると、膝や股関節に余計な負担がかかってしまい、結果的にフォームも崩れやすくなります。
まず優先すべきは「力んでいないこと」「続けられること」「翌日に痛みが残らないこと」で、この3つを満たしたうえで、動きの質を少しずつ上げていくほうが、遠回りに見えて結局いちばん安定します。
体で打つコツは「頭を動かさない」。
体幹で打つためのポイントとして、今回わかりやすかったのが“頭を動かさない”という考え方で、頭は身体の中でも重いパーツなので、ここが揺れると全体のバランスが崩れて、腕だけで合わせる動きになりやすくなります。
レッスンでは、頭の上にラケットを置いて落とさないように軽く振る方法が出ましたが、これは「頭が動くとすぐ落ちる」という分かりやすいフィードバックが得られるので、フォームを整えるきっかけとして非常に優秀です。

ラケットが難しければタオルを畳んで頭に乗せるだけでも十分で、「思ったより頭が動いている」を自分で確認できるだけでも、動きが変わるスピードは一気に上がります。
日常生活の負荷は、想像以上に“高負荷”になる。
現場でよく出る話題ですが、「重い荷物を持って階段を上り下りすると股関節が痛む」という相談は本当に多く、運動そのものより日常動作で痛めている方も少なくありません。
重いものを持つという行為は、簡単に言えば“体重が増えた”のと近い負荷になりやすく、さらに階段は平地歩行より関節にかかる負担が上がりやすいので、痛みが出やすい条件が重なりやすい場面です。

「鍛える」より前に「負荷を調整する」という順番を間違えると、良くするつもりが悪化の引き金になることがあるので、エレベーターを使う、荷物を分ける、痛みが強い日は無理をしないといった小さな工夫を、まず“治療の一部”として組み込んでいくことが大切です。
治療はゴールではなく、再スタートのための土台です。
治療はもちろん重要ですが、それはゴールではなく再スタートのための土台であり、その先で「どう動くか」を整えていくことで、日常や趣味の選択肢が増え、結果的に再発予防にもつながっていきます。
今回のレッスンは、フォームを作り込むというよりも、身体に無理のない動かし方を確認しながら「また動ける」を育てる時間で、こういう積み重ねが、長く続くコンディションの差を作ると改めて感じました。
運動の反応や回復のスピードには個人差がありますので、痛みや不安がある方は状態を確認したうえで、無理のない方法を一緒に組み立てていければと思います。
※今回の内容は以下の動画でも見ることが可能です。
何かご不明な点等ございましたら、当院の公式サイトからお気軽にお問い合わせください。
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