細胞培養施設と同じビルにクリニックを作った理由
2026年07月03日(金)
こんにちは。
お茶の水セルクリニック院長の寺尾です。
今回は、培養室が医療機関に近いことのメリットについてお話ししたいと思います。
幹細胞治療では、患者さんから採取した細胞をそのまま使うのではなく、専用の培養施設で細胞を増やし、治療に使える状態まで整えてから投与します。
お茶の水セルクリニックでは、当院のすぐ近くに培養室があり、そこで培養された細胞を治療に使用しています。
このように、医療機関と培養室が近い環境で治療を行えることは、細胞治療において非常に大きなメリットだと感じています。
できるだけ良い状態の細胞を届けるために
細胞はとても繊細なもので、培養している環境から細胞を取り出し、注射器に詰めて、治療に使える状態に整える。
この過程だけでも、細胞にはさまざまな変化が起こります。
さらに、培養施設から医療機関まで細胞を長時間輸送する場合には、輸送中の振動や温度管理、時間の経過なども考える必要があります。
たとえば、食べ物でも長時間揺らされたり、保管状態が良くなかったりすると、品質に影響が出ることがあります。
細胞はそれ以上に繊細ですので、強い振動や長時間の移動によって、細胞の状態に影響が出る可能性があります。
そのため、培養室が近くにあることで、細胞を準備してから治療までの時間を短くできることは、とても大きな意味があります。
当院では、患者さんの来院時間に合わせて細胞を準備し、できるだけ良い状態で治療に使用できるようにしています。
培養室から治療室までの距離が近いことで、細胞をよりフレッシュな状態で届けやすい環境が整っているということです。
当院の培養の過程はこちらをご覧ください
↓
細胞を安全に培養する細胞培養加工室(CPC)の紹介
スケジュールの調整がしやすい
培養室が近いことのもう一つのメリットは、スケジュールの調整がしやすいことです。
多くの医療機関では、外部の培養施設に細胞の培養を依頼しているケースがあります。
その場合、細胞を採取したあとに培養施設へ運び、培養が終わったら再び医療機関へ戻す必要があります。
この流れでは、医療機関、培養施設、輸送業者、それぞれのスケジュールを合わせる必要があります。
そのため、患者さんが「この日に治療を始めたい」と思っても、培養施設や輸送の都合によって、すぐには進められないことがあります。
一方で、培養室がすぐ近くにある場合には、培養室の状況を確認しやすく、細胞の採取や培養開始のタイミングも比較的調整しやすくなります。
もちろん、培養室にも日々さまざまな作業があり、すべてがいつでも自由に進められるわけではありません。
それでも、近くにあることで確認や相談がしやすく、治療開始までの流れをよりスムーズに組み立てやすいという利点があります。
細胞の状態を確認しやすい
幹細胞治療では、細胞を培養して増やすだけでなく、その細胞が治療に使える状態かどうかを確認することも重要です。
細胞の数、状態、安全性、品質管理など、これらを丁寧に確認したうえで、治療に使用できる状態へ整えていきます。
培養室が近い環境では、培養の進み具合や細胞の状態について確認しやすくなります。
医療機関側としても、治療に使う細胞がどのような状態で準備されているのかを把握しやすいことは、安心して治療を進めるうえで大切な要素です。

再生医療は、細胞を投与するだけの治療ではありません。
細胞を採取し、培養し、安全性を確認し、治療に使える状態に整えるまでの一連の流れがあって、初めて治療として成り立ちます。
だからこそ、医療機関と培養室の連携はとても重要です。
患者さんにとっての安心にもつながります
培養室が近いことは、医療機関側の管理のしやすさだけでなく、患者さんにとっての安心にもつながると考えています。
幹細胞治療は、普段の保険診療とは少し違い、細胞を採取してから培養し、一定の期間を経て治療に使う流れになります。
患者さんからすると、「自分の細胞が今どこにあるのか」「どのように管理されているのか」「治療に使うまでにどのような工程を通るのか」が見えにくく、不安を感じることもあると思います。
その点、培養室が近くにある環境では、医療機関と培養室が連携しやすく、細胞の準備状況や培養の進み具合についても確認しやすくなります。
もちろん、培養には専門的な工程があり、すべてを患者さんが直接見るわけではありませんが、医療機関として状況を把握しながら治療を進めやすいことは、大きな意味があります。

再生医療では、治療当日の注射だけでなく、その前に行われる細胞の準備や管理まで含めて、治療の質を考える必要があります。
だからこそ当院では、細胞がどのように準備され、どのような流れで治療に使われるのかについても、できるだけわかりやすくお伝えすることを大切にしています。
治療を受ける医療機関を選ぶときの一つの視点
幹細胞治療を受ける医療機関を選ぶときには、治療費や治療内容だけでなく、細胞をどこで培養しているのかを確認してみるのも一つの方法です。
医療機関によっては、院内や隣接した施設で培養している場合もあります。
また、外部の培養施設に委託している場合もあります。
どちらが絶対に良い、悪いという単純な話ではありません。
大切なのは、その医療機関がどのような体制で細胞を管理し、どのように治療までつなげているのかを知ることです。
「細胞はどこで培養していますか」
「治療に使うまで、どのように管理されていますか」
「培養施設とはどのように連携していますか」
こうした点を確認していただくことで、治療を受ける医療機関を選ぶ際の判断材料になると思います。
細胞治療は、細胞の準備まで含めて治療です
お茶の水セルクリニックでは、細胞治療を行ううえで、細胞そのものの質や安全性、治療までの流れを大切にしています。
培養室が近いことによって、細胞の準備や確認がしやすく、患者さんの治療スケジュールにも比較的柔軟に対応しやすい環境があります。
これは、当院にとって非常にありがたい環境です。
もちろん、培養室が近いからすべてが決まるわけではありません。
大切なのは、患者さんの状態を丁寧に確認し、再生医療が本当に適しているのかを見極めたうえで、必要な治療を安全に進めていくことです。

幹細胞治療に興味がある方、治療を受ける医療機関をどのように選べばよいか迷っている方は、まずは一度ご相談ください。
治療を受けるかどうかは、その後に決めればよいことです。
まずは今の状態を知り、どのような選択肢があるのかを整理することから始めていただければと思います。
※今回の内容は以下の動画でも見ることが可能です。
何かご不明な点等ございましたら、当院の公式サイトからお気軽にお問い合わせください。
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