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【一口に「膝の痛み」と言っても】―院長のブログ

2020年12月09日(水)

今回は、膝の痛みについて書いてみたいと思います。

 

一口に「膝の痛み」と言っても、実は起こっている現象は色々とあります。

場所による違い

・内側の痛み(半月板、滑膜など)

・外側の痛み(半月板、滑膜など)

・後ろの痛み(半月板、膝窩筋腱など)

・お皿(膝蓋骨)の周りの痛み(膝蓋大腿関節、滑膜など)

・お皿の上の痛み(滑膜、水腫など)

・お皿の下の痛み(Hoffa脂肪体など)

痛みを感じる場所によっては、痛みを出している組織に差が出ます。

痛みを生じる組織としては、滑膜、骨、半月板、軟骨、腱、筋、神経などがあります。

痛みを感じている場所から、ダメージのある場所を推測しているので、膝のどの辺りに痛みを感じるかを

教えてもらえると、診察時にはとても助かります。

余談ですが、軟骨には神経がないため、軟骨を傷つけただけでは痛みがでることはありません。

・軟骨が痛んだ結果として関節の滑りが悪くなる。

・軟骨が痛んだために、軟骨に余分な神経が生えてきてしまう。

こういった現象が起こることで、軟骨に関連した痛みが生じると言われています。

 

原因による違い

・炎症反応など化学的なもの(炎症性サイトカイン、発痛物質など)

・不安定性や位置のズレなど物理的なもの(スラスト、脱臼など)

痛みは3つのメカニズムによって感じると言われています。

様々な原因によって、これらのメカニズムが刺激を受けた結果、痛みを感じるというのが現在の

定説となっています。「その他の痛み」には脳内で生じてしまう痛みも含まれています。

痛みを長期間感じ続けていると、痛みが脳内に残ってしまい、

原因を取り除いても痛みだけが残ってしまうことがあります。

そのため、痛みを感じていると時は、早めに薬を使うなどの対応をした方が良いと言われています。

痛み止めは痛みを感じ始めたタイミングの方が効果は高く出やすいですし、

我慢しすぎるのは良くないと思います。

勿論、痛み止めにも副作用があるため、使用時は慎重に使う必要はありますが、

上手く使っていくことは大切だと思います。

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