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【PRP作成デバイスの違い】ーDr寺尾のブログー

2020年09月23日(水)

こんにちは。院長の寺尾です。

 

今回は様々なPRP治療について書きたいと思います。

 

PRPとは?

PRPは多血小板血漿の英語表記であるPlatelet Rich Plasmaの頭文字を取った略語です。

血液中の血小板を濃縮した液体と思っていただくと分かりやすいかもしれません。

血小板の働きとして出血を止める作用が有名ですが、実は、組織修復のメカニズムをスタートさせる働きも持っています。

血小板の中に含まれるサイトカイン等が周囲に働きかけをして細胞を呼び寄せたりすることで修復のメカニズムが働くようになります。

その作用を応用して、ダメージを受けた部分の治療を行うのがPRP治療になります。

 

PRPにはどのようなデバイスがあるの?

PRPは様々な方法で作ることができます。

スポイトと遠心分離機を使って作ることもできますが、体に戻すものですので、医療機器として承認されているデバイスを使って作る方が良いとされています。

 

現在、日本国内でクラスⅢの医療機器(高度管理医療機器)の承認を受けているのは、20209月の時点で以下の4種類になります。

GPSⅢ(Zimmer-Biomet

APSZimmer-Biomet

TriCeLL(サンメディック)

Condensia(京セラ)

 

同じクラスⅢ医療機器ですが、出来上がるPRPの特徴は少し異なります。

☆当院ではACP・GPSⅢ・APSを使用しています。

 

PRP治療適応の方に、医師が検討することとは?

PRPを使い分ける時、私は以下の点を踏まえて検討しています。

・元々の血液量はどれぐらいか

白血球が入るか

・赤血球の含まれる量はどの程度か

大きな関節を治療する場合には元々の血液量が多くないと効果が出なかったり、不十分になってしまう場合もあります。

目的の作用によって白血球が入っている、入っていないと使い分ける必要があると言っている医師もいます。

 単にPRPを投与するのではなく、どのような効果や作用を期待してPRPを使うのかを考えて治療を行っていく必要があると思います。

そのためには、担当する医師が血小板やPRPについて知っているだけでなく、病気の発症するメカニズムや、なぜ治らないかについてなど、幅広い知識を持つ必要があると思います。

 

私も日々情報を集めて、しっかりと説明できるように心がけていきたいと思います。