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【足の変形性関節症】―Dr前之原のブログ

2021年12月24日(金)

以前足関節の変形性関節症のお話をさせていただきましたが、今回は足関節より下、
足の変形性関節症の論文を紹介させていただきたいと思います。

Foot and Leg Muscle Weakness in People With Midfoot Osteoarthritis
Arthritis Care Res (Hoboken). 2021 Jun;73(6):772-780.

足には26個もの骨があり、それぞれの骨の間には全て関節が存在しています(下図)

そして他の関節と同様に軟骨が存在し、軟骨の磨耗により変形性関節症となり
痛みの原因になることがあります。

話は変わりますが、膝の変形性関節症においては大腿四頭筋の筋力が
痛みの発症に関わっているとされており、我々整形外科医は膝の変形性関節症患者さん
には大腿四頭筋の筋力訓練を指導することが多いです。

しかし、足部の変形性関節症に関してこれまで原因はよくわかっていませんでした。

本論文では痛みを伴う足の変形性関節症の患者では足関節や足指の動かす筋力が弱く、
中でも足の内がえしの筋力が特に弱いことを報告しています(下図)

足の外科の外来を日々行なっていますと少なからず足の変形や変形性関節症の方も
来院されますが、レントゲン上変形性関節症があっても痛みのある方とない方が
いらっしゃいます。
なぜこのように個人差があるのかと常々疑問に思っておりましたが、この論文を読んでみて
少し疑問が解消されました。

まだまだわかっていないことも多いですが、今後外来でも膝の変形性関節症のように
足周りの筋力を鍛えるように指示してみようと思います。
古い流行語を引用すると「筋肉は裏切らない」んだなぁと改めて実感させてくれる
個人的に面白い論文でした。

コロナの関係でジムなどに行きづらいですが、皆様も可能な範囲で筋トレされてみては
いかがでしょうか?

私もコロナのせいで(と思っているのは本人だけかもしれません)最近太ってきた
ので、頑張ります。。

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